ストックホルム症候群を知っているだろうか?
誘拐されてしまった女性が誘拐犯に恐怖を抱くのではなくてなぜか恋愛感情を抱いてしまうという現象である。
これは一見すると特別な心理状態だと思われるが、実際には日常生活でもよく起こるものである。
ダメンズやDV男から離れられない女性もストックホルム症候群の一種にかかっているのだ。
ストックホルム症候群について今回はお話していこう。
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1973年の出来事
初めてストックホルム症候群が観測された事件は1973年に起こった。
これは銀行強盗をした男が銀行内に人質とともに立てこもった事件がおきた。
警察との攻防によりその男は逮捕されたのだが後に人質に取られていた女性とその男は結婚したのだ。
人々は「なぜ女性はそんな男と結婚したのか」と衝撃が起こり一時期ではあるが社会的な問題として取り上げられることもあったのだ。
しかし心理学者からしてみたらそれは別に特別なことではないことも同時にわかった。
というのも恐怖を人々は抱くとそれから身を守るために固定概念が外れ易くなりその恐怖を楽しくしようとする心理状態が働くのだ。
自分自身でマインドコントロールをかけてしまうために本当は恐怖を感じるべきシチュエーションなのにも関わらず恋愛的な感情を抱いてしまう。
さらにストックホルム症候群は別に大きな事件によって引き起こされるものでもないのだ。これは家庭内でも起こりうる。
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監禁事件でも良く起こりうる
ニュースで報道される監禁事件を見るたびに
「なぜもっと早く逃げ出すことができなかったのか?」と不思議に思う事件はあるだろう。
例えば11歳のときに監禁されてしまって20歳にときに9年ぶりに救出された!なんていうのは海外でもある事件であり、日本でもたびたび見受けられる。
自分の家族が自分が居なくなってしまった事に対して心配していることも知っていながらもその犯人から逃げ出すことはない。
何年間も同じ場所にいたらその犯人の一瞬の目を盗んで逃げ出すことは全然可能だろう。
しかし自分の意志で逃げ出すという選択肢を取らないことは非常に多い。
やっとの思いで救出されたときにも「自分を誘拐した犯人が寂しがっていないか、心配である」
となんとも奇妙なコメントを残す事がある。
もちろんこのコメントはマスメディアでは放送はされることがないが被害者の心の中には加害者に向けての心理的な愛着があるのがほとんどである。
「私が逃げ出してしまったらこの人はどうなってしまうのだろうか?」
自分の時間は奪われてしまっているのに相手に配慮を向けることがあるのだ。
ストックホルム症候群が落とす影は非常に濃い。
籠の鳥事件、北九州監禁〇〇事件、足立区コンクリート事件、よど号ハイジャック事件
このような心理を取り上げた映画には「狼たちの午後」「完全なる飼育」などがある。
DV男からなぜ女性は離れられないのか?
ストックホルム症候群は家庭や恋人との関係の中でも生まれる。
暴力を振るう男、その男から離れられない女。
家庭内や恋人関係で起こるストックホルム症候群を「トラウマティック・ボンディング」と称すこともあるのだ。
このような心理から立ち直るためには、意思と環境が必要だ。
自分は幸せになっていい、と少しわがままに思われるかもしれないが自分主体の人生に価値を見出すこと。
これが治療の根底となる考えである。
ストックホルム症候群は何も特別な心理状態ではない。
日常に潜む心の闇の部分なのだ。
人は誰でも幸せになっていい、誰にでも幸運は訪れる。
他人の人生など気にせず、自分らしく生きていけ。
今回は人間の心の闇を暴いた。