5.17.50
フォルクスワーゲンといえばドイツでも有数の自動車製造メーカーだ、開発から製造、販売まで全て仕切るだけの企業群を有する。
ドイツが誇る自動車メーカーもまた、新たなコンセプトの車を準備しているところだ


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スマートラウンジを企画中

これはファミリーカーへの未来図を反映したタイプで、『スマートラウンジ』と呼ばれている。
スマートラウンジの特徴はステアリングホイール、運転席、ダッシュボード、さらにペダルを必要としていないところだ。

車は音声とジェスチャーによる制御で運転することになる。

乗員が「どこに行きたいか」を、車に伝え、車を操縦するためのハンドモーションを行なうだけでいい。高齢者や疾患の問題で、運転が困難だった人々も対象としているのが、今回のコンセプトでもある。

セキュリティについても万全だ。
事前に顔をスキャンしておくことで、所有者を登録する『顔認証システム』で解錠する。

スマートラウンジのコンセプトはフォルクスワーゲンが将来の自動車に目指すビジョンであり、『車に乗ったスマートなラウンジ』として周知させようとしている。

自動車の所有人口は若年化に比例して低下してきている。その多くは車を購入出来るほど所得が確保出来ないことが主な理由だろう。

それ故に、車の運転がいかに『繊細で集中力が伴う行為』か、体感したことのない若者も多いと思われる。しかしライセンスを持っているからと言って、油断がない訳ではない。

飲酒運転、脇見運転など注意散漫な状況を自ら招いて大惨事を引き起こすこともある。連日、ニュースで報じられる自動車事故も非常に痛ましいものだ。

車の運転は『自他共に危険と隣り合わせである』からこそ、免許制になったことを忘れないで欲しい。

さて、話は『スマートラウンジ』に戻そう。

スマートラウンジの車は所有者を認識するセキュリティの他に、乗客の好みに合わせて音楽、温度、照明などの車内設定を調整してくれる。

車の広々とした内装も、より快適なラウンジのように感じて欲しいという意図が込められている。環境面でもディーゼル車やガソリン車よりも優れており、その出力は約413マイル(約665km)の範囲で、およそ300馬力にもなる。

先述のとおり、ペダルや運転席を必要としないスマートラウンジは、カメラや相互接続されたレーザースキャナー、超音波センサー、レーダーセンサーを組み合わせることで周囲の環境を検出する。

もし、乗員が長時間の運行中に眠りたい場合は、窓を『電位カーテン』で暗くすることが可能だ。

高品質な音響機器に搭載されているノイズキャンセラーや、走行中に発生するだろう雑音を除去するために加える可能性がある。

スマートラウンジに搭載される自律機能は『レベル5』と人間の介入を必要とせず、ほぼすべての道路に対応できるようになる予定だ。

なお、昨今のハイテク自動車でも『レベル2~3』の自律制御。フォルクスワーゲンの目指す目標がいかに困難なものか、消費者には想像のつかない域にあるようだ。

パワフルな内蔵機能、ユーザーフレンドリーな自動車は、乗客が快適であるかどうかチェックし、状況に応じて設定を調整してくれる。しかし、この夢のようなファミリーカーの実用化までは、まだまだ時間がかかりそうだ。

フォルクスワーゲンによると「2020年頃に発売予定のIDハッチパックから段階を踏む必要がある」と声明している。

2020年まではそう遠くないが、2030年までにショールームに展示される可能性は非常に低い。

それでも世界最大の自動車メーカーが『全ての人が快適に過ごせる自動車を提供できるかもしれない』という魅力は捨てがたい。
時間はかかってしまうだろうが、このスマートなラウンジが道路を駆け抜ける日を楽しみにしたい。