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人間が人間を食べてしまう・・・。

これは日本の小笠原諸島で起きた事件であり、通称小笠原事件と言われている。

人食いは禁忌
どの宗教でも人食いは野蛮であり、最も罪が重いとされている。

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事件の経緯

小笠原事件は1945年に起こった。

日本人陸軍の高級幹部がアメリカの捕虜8人を処刑し、そのうちの5人の肉体を食べた。

通称小笠原事件が発覚し世間を騒がしたのは東京のBC級戦犯の裁判のときであった。

1944年に父島というところにアメリカの空軍が押し寄せてきた。

このときのアメリカの空母を「アベンジャー」という。このアベンジャーに対して日本軍も父島から反撃にでた。

そしてアベンジャー5機に対して攻撃を重ねた結果、撃退に成功したのだ。そのアベンジャーが墜落するときにアメリカの兵士たちはパラシュートで逃げることになった。

海への着陸は成功したものの、日本兵に捕まってしまったのだ。

その後日本はアメリカの降伏宣言をしたところ、アメリカはパラシュートで降りたアメリカの兵士はいま一体どこにいるのだ?と聞いたところ日本兵は全員下を向いたのだ。

日本人のあからさまな態度にアメリカ兵は激怒し、どのようなことがあったのは入念に調べることになった。

アメリカ兵8人が捕虜となりそしてその次の日には見せしめのために処刑されてしまったことがわかった。

さらにそのうちの5人が食べられてしまっていたことも発覚したのだ。

このときの日本の高級兵士であった、陸軍立花中将、陸軍的場少佐、海軍森中将、海軍吉井大佐がそれぞれグアムのアメリカ軍事裁判所で裁かれることになった。

最初は否定はしていたものの証拠を出されたことがきっかけとなり

陸軍立花中将、陸軍的場少佐、海軍森中将、海軍吉井大佐は有罪、さらにこれに関係した他25名の有罪の判決がでたのだ。


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首謀者である立花芳夫はこう語る

小笠原事件の首謀者であった立花芳夫は緊張状態が続く戦争の中で

自分たちに士気を上げるためにアメリカの勝つという意味で「食べた」と供述したのだ。

さらに自分たちに部下にも食べさせるように命じたことも認めた。

人間の肉を食べることに抵抗はなかったのか?という問いに対して

全くなかった。なぜなら肉はおいしかったからだ」と答え、

このときの立花芳夫の発言がショックすぎたせいでアメリカ人の通訳は下を向き、吐瀉物を吐き出してしまったと文献に記載されている。

日本側の言い分もある

父島に対しての攻撃は非人動的であり、許されるものではない。戦争にもモラルやルールが設けられるべきである。

といった抗議に意味合いを兼ねてより食べたと発言をしている。

日本軍の中では死んでしまったものに対する情はないために死んでしまったものがどのような処分になろうが、全く関係はないはずだ

という考えがあったこともグアム裁判所で明らかになった。

戦争にモラルはあるのか?

人が人を食べることはショッキングなことであるが日本、アメリカの両国が持つ倫理観、モラル感は少し異なっていることが解る。

戦争という点でなにをやっても良いというのがアメリカであり、ある程度のルールが設けられるべきだと日本は考える。

それに対して死んでしまったものに対して日本軍は情を感じないのに対してアメリカは死んでしまったものに対しても敬意を払うべきだと考えるのだ。

この両国の考えのギャップが悲劇の「小笠原事件」を引き起こしてしまったのだろう。

果たして、またこのような悲劇が起きてしまう日はあるのだろうか?