電動モーターの回転運動を利用する、リニアモーターカーの実装が秒読み段階に入っている。

充電式の電気自動車も街中で見かける数が増えてきただろう。

両者ともにエネルギーコストやエコロジーに配慮したものだが、理想形態は『太陽光発電』ではないだろうか?

なんと、そんな夢をカリフォルニア工科大学の学生チームが完成させたというのだ。


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最大時速100km/h以上のソーラーカー

カリフォルニア工科大学のプロトタイプ・ラボ(通称:PROVE Lab)の開発チームは『太陽光発電による地上での最速記録』を塗り替えるため、ソーラーカーを設計していた。

ソーラーカーは『dawn』と名付けられ、バッテリー無しで65mph(マイル/時)に達するよう設計されている。

空気抵抗を極限まで下げた、超薄型のボディとボートのような流線型のシルエットは非常に特徴的なものだ。

開発までに要した時間はおよそ2年半、シミュレーションには数百時間を有して設計されている。

さらに空気力学に関する、風洞試験も行なったほどの気合いの入り用だ。
車両は全体で僅か数キロの空力抵抗を生成し、2kWのソーラーアレイ(太陽光パネルの架台)によって完全に駆動する。

ソーラーパネルはボンネットに設置されており、太陽光を効率的に吸収出来るような設計だ。

このマシンはアメリカやオーストラリアのレース用に設計された、他のソーラーカーと異なる部分がある。

それは車内に内蔵バッテリーが存在しないことだ。

プロヴ・ラボの目的は、あくまで『太陽光発電車両の費用対効果』と『効率性を示す』ことである。
長距離加速を目的としたレーシングカートは、コンセプトも目的も違うのだ。

デザインも実用的な生産車とはかけ離れているものの、高品質な材料、空力、革新性を強調している。

単一の電気モーターは約97%の、ほぼ全ての利用可能な電力を速力に変換させているのだ。

太陽光発電のみを使用した車両の世界記録は現在56mph(90km/h)。

『dawn』はアメリカの鉱毒路の標準速度制限である65mph(105km/h)に達することを目標としている。


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dawnは学生達の技術の結晶

車両にステアリング、いわゆる方向転換する機能はなく、車を駆動するにはSF映画のようにハッチ内でピッチアップと操縦を行なう。
学生達はソーラー・インパルスⅡを飛行させる際に使用したものと同じ太陽光発電用太陽電池を選んだ。

その数605個と驚くべき数なのだが、すでに世界中に普及されているソーラーパネルと酷似しており、2018年現在ではかなり安価な技術だったようだ。

車のデザインからソフトウェアまで、大部分が学生達の手で設計、構築された。

ソーラーカーの車体部分は宇宙飛行用の炭素繊維を使用し、ドライバーが登場しても総重量は200kg未満になる。

より耐性の高い従来のタイヤよりも、高性能なバイク用のタイヤを使用することが可能だ。

搭載センサーが地面から早く離陸を開始したことを検知すると、太陽電池で隠れていたフラップが展開する仕組みとなっている。

このフラップが走行を維持させるため、ドライバーごと飛翔しないよう安全装置として働くのだ。

プロヴ・ラボには13校の大学と60人以上の学生が参加している。

運営もスタートアップカー企業のように運営されているため、企業として機能していると言って過言ではない。

乗車するドライバーは航空宇宙工学の学生、試験場としてカリフォルニア州パームデール空軍基地をするなど、一般企業よりも自由度の高い活動を行なっている。

蒸気からガソリン、電気、と車は数十年に渡って進化を続けてきた。

すでに太陽光を利用した設備も存在するが、果たしてソーラーカーが実現する日は来るのだろうか。